ざっくりザクっと建築を学ぶ

”ざっくりザクっと建築を学ぶ” 略して ”ざく建” です

津波の対策で建物設計段階で考慮すること

津波は海岸沿いの地域において深刻な被害をもたらす天災の一つであり、建物の設計段階で津波対策を十分に考慮することが不可欠です。

  1. 建物の位置と高さ: 津波の被害を最小限にするためには、建物の設置位置と高さを慎重に選定することが必要です。高台に位置するか、適切な高さの基礎を有するような設計が求められます。
  2. 強固な基礎構造: 津波が襲来すると、強力な水圧が建物にかかります。このため、建物の基礎構造は十分な強度と安定性を備える必要があります。特に、地盤改良や深い基礎の採用が津波対策に有益です。
  3. 浸水対策: 建物の設計において、津波の際に浸水を最小限に抑える工夫が必要です。浸水対策としては、堤防やフラップ式の防水扉の導入、排水設備の改善などが挙げられます。
  4. 耐水性の材料: 津波の影響を受ける可能性がある建物では、耐水性のある建材の選定が重要です。コンクリートや防水処理済みの木材など、津波に対して強固な耐久性を備えた材料の使用が考慮されます。
  5. 避難経路と避難場所の設計: 緊急時に備え、建物内には効果的な避難経路と避難場所を設計することが必要です。これにより、住民や利用者が安全かつ迅速に建物から避難できる環境を整えます。
  6. 地元の地質と津波の歴史の調査: 建物の津波対策においては、地域の地質条件や津波の発生履歴を詳細に調査し、それに基づいた適切な対策を立てることが必要です。地域ごとの津波リスクを正確に把握することが不可欠です。

津波対策は地域ごとに異なる要素を考慮する必要があり、綿密な調査と設計段階での計画が不可欠です。これにより、建物が津波による被害から人々を守り、地域の安全を確保できるようになります。

 

木造、鉄骨造、RC造で考慮すべき点

木造建築における津波対策:

  1. 浮力と耐水性の向上: 木造建築は浮力があるため、津波による浸水リスクが高まります。浮力を考慮して建物の設計を行い、耐水性のある建材やコーティングの採用などで浸水を最小限に抑える必要があります。
  2. 建物の高さと位置: 高い位置に建物を配置するか、津波の影響を受けにくい場所に建設することで、浸水被害を軽減できます。ただし、地域の法規制や景観にも注意が必要です。

鉄骨造建築における津波対策:

  1. 基礎構造の強化: 津波の水圧に耐えるため、鉄骨構造の基礎を十分に強化する必要があります。地盤改良や適切な基礎設計が津波対策の一環となります。
  2. 構造の耐久性: 津波にさらされることで腐食が進みやすいため、鉄骨部分の塗装やコーティングなどにより、耐久性を向上させる必要があります。

RC造建築における津波対策:

  1. 強固な耐水性材料の選定: RC構造は津波にさらされると劣化しやすいため、強固で耐水性のあるコンクリートや鉄筋を使用することが重要です。特に耐久性の高いコンクリートの採用が考慮されます。
  2. 浸水防止策: 浸水を最小限に抑えるために、防水処理や浸透防止工法を採用することが求められます。建物の床上げやフラップ式の防水扉の設置などが有効です。

各構造形式においては、浸水対策や基礎の強化が重要です。また、地域の地質条件や津波の発生履歴を考慮し、その情報に基づいて適切な設計と対策を行うことが不可欠です。

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